ニカラグア出張写真〜2016年版その7〜お店でも大人気だったブエノスアイレス農園。
今年のニカラグアの買い付けツアーもいよいよ終盤です。
ここまでの様子はこちらから。
※ニカラグア出張写真〜2016年版〜
ブエノスアイレス農園に行ってきました。
今年、お店でも販売していたブエノスアイレス農園。
この時のツアーの時に仕入れたものですが、残念ながらすでにお店では売り切れで販売終了。
※「ブエノスアイレス」。アルゼンチンの首都ではなくて、ニカラグアの新しいコーヒーです。
大人気のうちに売り切れてしまったブエノスアイレス農園ですが、今年で3年目の訪問。
1日で農園から乾燥場まで一気に訪問してきました。
※また来年には販売予定!
農園オーナーはバラダレス兄弟。
こちらお兄さんのエミリオさん。
農園内部の管理をしています。
こちらは弟のオルマンさん。
渉外関係を担当しているみたいです。
この二人が所有している農園はブエノスアイレス農園の他にも8つか9つくらいあり、どれも素晴らしい農園ばかりです。
国際品評会でも毎年たくさんの農園が入賞し、今年も先日開催されたカップオブエクセレンスではブエノスアイレス農園を含む「エル・ナランホ」、「エル・カルメン」、「オホ・デ・アグア」、「ラ・ラグーナ」という合計5つの農園が入賞しました。
※Cup of Excellence Nicaragua 2017 Winning farms
まずは農園にやってきました。
農園内部は綺麗に手入れされ、急勾配ながらもとても歩きやすいです。
植えられているのはカトゥーラ種とマラカトゥーラ種がメイン。
ニカラグアではポピュラーなカトゥーラ種と、カトゥーラ種に大粒のマラゴジッペ種を掛け合わせた交配種です。
ここの農園のチェリーは食べてみるととても甘い!
青みも全く感じられません。
ウエットミル(脱果肉工場)では伝統的なウォッシュドプロセスを行っています。
水洗式とも言われるウォッシュドプロセスはコーヒーチェリーの果肉を剥いて、種の周りのミューシレージと呼ばれるヌルヌルも綺麗に洗い流す方法。
ウェットミル内には伝統的なウォッシュドプロセスに欠かせない醗酵槽が設置されています。
ここで果肉を剥いた後のミューシレージの残ったコーヒーの種(通称:パーチメントコーヒー)を寝かせ、酵素反応を利用してミューシレージを分解させます。
醗酵槽に入れておく日数は農園主によってまちまちですが、2, 3日寝かせた後、水路で分解されたミューシレージを洗い流します。
こうしてウォッシュドプロセスを施されたコーヒーはドライミルと呼ばれる乾燥場に運ばれ、水分値が11〜12%になるまで乾燥させていきます。
続いてドライミルへ。
ドライミル(乾燥場)ではバラダレス兄弟の所有する他の農園も集められ、ウォッシュドプロセスの他、ハニープロセスやナチュラルプロセスの乾燥も行われていました。
訪れたのは夕方近くだったので、作業している人たちもこの日一日攪拌しながら乾燥させていたコーヒーを片付け始めていたところ。
こちらはナチュラルプロセス。
天吊型のサスペンテッドパティオと呼ばれる乾燥台で丁寧に乾燥させていました。
※奥に広がっている小麦色のコーヒーはハニープロセス。
ナチュラルプロセスはコーヒーチェリーの果肉を剥く工程がないため、雑味の原因となる果肉の剥けない(果肉の硬い)未成熟コーヒーチェリーを取り除く機会がありません。
こちらでも目視による未成熟チェリーのピッキングを丁寧に行っていました。
また乾燥場の片隅にはこんなサスペンテッドパティオも。
最適な乾燥期間や方法を探るための実験用のサスペンテッドパティオです。
他のどの乾燥場でも見たことがなく、初めて見て驚きました。
バラダレス兄弟の作るコーヒーはこれといって特殊な品種や流行りの品種、生産処理方法を行っているわけでもありません。
3年目の訪問ですが、毎年のように新しい機械設備が増築されているといったことも見たところありません。
それなのに毎年とても美味しいです。
もちろん土壌や栽培環境に恵まれているということもありますが、今までやってきた方法をより丁寧に最適に行っていることが彼らの作るコーヒーの美味しい秘密と感心させられました。
これからも安心して美味しさを楽しめるブエノスアイレス農園でした。
続く。