toggle
2017-10-12

ニカラグア出張写真〜2016年版その6〜山の中のコーヒー農園。

ミエリッヒ家の農園見学を終え、セルヒオ氏のドライミルにやってきました。

ここまでの出張の様子はこちら。
※ニカラグア出張写真〜2016年版〜

セルヒオ・ノエ・オルティスさん。

毎年のニカラグアツアーの全行程をアテンドしてくださる、ニカラグアのスペシャルティコーヒー生産者の一人です。

そんなセルヒオさんの自宅に隣接されているドライミルに見学にやってきました。

ドライミル”Dry Mill”は収穫したコーヒーをそのまま、または果肉を除去した後に乾燥させる場所。
果肉を除去する場所「ウェットミル”Wet Mill”」と隣接していたり、全然違う場所にあったりします。

セルヒオさんのドライミルでは毎年品質改善のためのチャレンジングな取り組みが行われ、写真の黒いテントも乾燥時間を調整するためのもので1,2年前に設置されたばかり。

テントの中では様々な生産処理工程を施されたコーヒーが乾燥されていました。

オレンジ色のコーヒーは果肉を除去して乾燥させるハニープロセス。

黒紫色のコーヒーは収穫したコーヒーチェリーをそのまま乾燥させるナチュラルプロセス。

乾燥中のコーヒーはミューシレージと呼ばれるコーヒー豆の周りの粘液質(ペクチンと呼ばれる多糖類)が乾燥し、キャラメルのような甘い香りがします。

今年は新たなトライアルの取り組みとして乾燥途中のコーヒーを袋に入れて寝かして、時間をかけてゆっくり乾燥させるという取り組みを行っていると説明がありました。

後ろのビニールがそれです。

ドライミル見学の後、少し離れたウェットミルと隣接するカサブランカ農園へ。

ウェットミルでは収穫したコーヒーを品質別に選別したり、果肉を剥いたりしています。
このウェットミルの向こう側がカサブランカ農園。

写真では分かりにくいですが、セルヒオさんのウェットミルにある果肉除去機はニカラグアでは他に類を見ないほど精密に設計され、かなり細かい選別を可能にしています。
※詳しい説明はこちらから。

ウェットミルはちょうど作業中で、農園からコーヒーチェリーがどんどん運ばれてきていました。

続いて農園内部へ進んでいきます。

カサブランカ農園は写真のように標高1,000〜1,500メートルと比較的レンジが広く、これは平地というよりもかなり急な傾斜の山肌に農園があるということを意味しています。

農園の中もこんな山道でした。
写真の中央左側に並んでいる背の低い緑の木がコーヒーの木。

目の前には山肌の壁。
振り返れば崖と青空。

農園内のなにげない雑木も日照を調整するための木だったり、インガというマメ科の植物で土壌内に栄養分(窒素)を補填するためだったりします。
またセルヒオさんの場合は山肌を通り抜ける風を調整することも考えながら雑木を管理しているとか。

収穫可能なコーヒーの木の他にもポッドで苗木も育てられており、これも様々な品種の苗木を育てながら、この農園の環境にマッチするかトライアルしているみたいです。

コーヒーの木は発芽したポッドを地植えに植え替えてから収穫できるようになるまで3年くらいかかると言われています。

しかし地植えしてから環境にうまく合わず枯れてしまったり、うまくコーヒーチェリーが結実しないなんてことも。
文字通り、実を結ぶまでには相当な努力と情熱が注がれています。

続く。

関連記事