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2018-12-04

ブラジル出張写真〜2018年版その4〜一週間で165杯のコーヒーをカッピングしました。

農園訪問や散策をしながら品評会は続いていきます。

ブラジルの「カップ・オブ・エクセレンス」は他の生産国でのそれとは少し違い、ナチュラルプロセスの品評会とパルプドナチュラルプロセスの品評会を分けて開催します。

もともとどちらのプロセスも同じ品評会の中で評価されていましたが、それぞれのプロセスでコーヒーチェリーの収穫から乾燥工程までの仕上がり期間が異なるため、同じ収穫日のチェリーでもプロセスによって仕上がり日が異なり、同じ品評会での評価ではどちらかのプロセスに不公平が生じる。

ということで現在ではナチュラルプロセス大会とパルプドナチュラルプロセス大会を分けて開催しています。
(それぞれのプロセスで風味特性が異なるので分けて行う、という意向もあるかもしれません。)

(世界12カ国から集まった国際審査員とオブザーバー審査員)

それぞれの品評会を1週間の中で立て続けに行うので、ブラジル大会はカッピングの数が多くてハードだとも言われています。

また日本人にとっても普段の生活から12時間の時差がある場所でのハードワークなので、それもまた大変さを後押ししていました。

カッピングの数を数えてみたら165サンプル。

国際品評会では国内品評会でカッピングスコア86点以上に選り分けれらたコーヒーを、国際審査員によって再度86点以上か否かに選り分けていきます。

国際品評会の中でも一度86点以上に選り分ける「セッション1」、ここで選り分けられたコーヒーを順番を入れ替えて再度86点以上か否かに選り分ける「セッション2」。
この二つのセッションで選り分けられたコーヒーが「カップ・オブ・エクセレンス」です。

パルプドナチュラルプロセス大会とナチュラルプロセス大会では総じて165サンプルのコーヒーをカッピングしました。

「1日平均30〜40サンプルのコーヒー。」

一見、大変そうに思えますが(大変ですが)、国際品評会に至るまでに選り分けられたコーヒーはどれも素晴らしいコーヒーばかり。

同じブラジルで収穫されたコーヒーですが、ここまで違うものかと思えるのも感動的でした。

そんなことを1週間を通じてやっていると審査員団も国籍や経歴に関係なく日に日に仲良くなっていくのも面白いところです。

品評会の最後にはアワードセレモニー。

「カップ・オブ・エクセレンス」に選ばれたコーヒー生産者の表彰式です。

毎年のように入賞する優秀な生産者も、この日から一躍有名になりアワードセレモニーが人生の転機になる生産者もいます。

アワードセレモニーとなれば私たち国際審査員は脇役。
一観覧者のような感じで参加しています。

少しリラックスした気持ちで居られる分、コーヒー生産者とその家族の一年間の想いや情熱がひしひしと伝わってきます。
いつもアワードセレモニーに参加の際には、「日本に帰ったら今までよりももっと〜」といろいろと身の引き締まる思いになります。

アワードセレモニー後半ではライブ演奏!
ブラジルでは結構有名なバンドらしく会場は大盛り上がりでした。

国際審査員の仕事は責任重大ですが、何度参加しても「カップ・オブ・エクセレンス」のこの空気は感慨深いものがあります。
今のところ、日本国内でどれだけコーヒーの仕事に従事していても得られないもののような気がします。
ということで、また参加したいなぁと思ってしまう「カップ・オブ・エクセレンス」ブラジル出張でした。

おしまい。

(これは一番最後の審査が終わった直後の集合写真。みなさんクタクタです。)

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